豊岡市の城崎温泉街に営業所を置く旅行会社「たびぞう」は、高齢者や親子連れなど移動に不安がある人らにも観光を楽しんでもらおうと、同温泉街を4人乗り電動三輪車「トゥクトゥク」で巡回し、観光拠点などに送迎するサービスを4月下旬から始めた。利用は無料で、7月30日まで実証実験をしている。(吉田みなみ)
同社は、排ガスを出さず駆動音が小さい電動バイクやトゥクトゥクを利用したツアーを提供している。スタッフは同乗せず旅行者が自ら運転するスタイルで、城崎温泉周辺や玄武洞、竹野浜などを自由に巡れることから人気を集める。
送迎サービス発案のきっかけは、同温泉街を訪れた観光客の声だった。城崎にはインバウンド(訪日客)や3世代の家族で訪れる人も増え、駅から多くの宿泊施設に専用の送迎バスが出ている。
しかし、外湯を行き来したり土産物店を巡ったりする短い距離の交通手段は少なく、土地勘がなかったり足腰に不安があったりする人は、旅館から出るのをためらうことがあるという。
「タクシーを呼べる距離ではない」と、家族旅行中に祖父母だけ旅館に残った話も聞かれたといい、行き帰りの足を心配せずに外湯や土産物店などを巡ってもらおうと企画した。
城崎温泉旅館協同組合や観光協会、まちづくり会社「湯のまち城崎」に呼びかけ、宿泊客にサービスを周知している。
走行エリアは同温泉街の約1キロ圏内で、定員は大人3人。午前9~10時と午後3~5時に同社スタッフが運転して、JR城崎温泉駅前と外湯、旅館、温泉寺、ロープウエー乗り場を時速20キロ程度で巡り、希望者は好きな場所で呼び止めれば乗車できる。
事前予約も可能で、午前9時半と同45分、同10時、午後3時半、同4時、同4時半から選び、電話で乗降場所とともに伝える。
利用者からは「無料で便利。使いやすい」と好評を得ており、運転手に温泉街の歴史やお薦めの店を聞く人もみられるという。
たびぞうは、一定のニーズが確認できれば実験終了後も無料送迎を続ける方針。土産物店や飲食店などと連携してPRや観光案内役を担い、まちの活性化につなげる構想もあるとする。
同社の大林大悟社長(46)は「そぞろ歩きが城崎温泉街の大きな魅力。誰にとっても楽しい思い出になるよう力を尽くしたい」と話している。
無料送迎は水曜休み。予約は同社TEL080・9180・1033























