県立はりま姫路総合医療センター=姫路市神屋町
県立はりま姫路総合医療センター=姫路市神屋町

 兵庫県は18日、県立はりま姫路総合医療センター(姫路市)で2022年、70代の男性患者の肺がん疑いを見落とす医療事故があったと発表した。発覚したときには既にステージ3に悪化しており、男性は24年8月に死亡した。県は見落としが原因で亡くなった可能性が高いと判断し、遺族に損害賠償891万1千円を支払うことで和解する方針という。

 県病院局によると、男性は県内在住で22年1月に腹部、3月に胸部の大動脈瘤手術を受けた。コンピューター断層撮影(CT)検査で1月には肺のしこり、3月には肺がん疑いがあることを放射線診断科医が報告書に記していたが、それぞれ執刀と入院を担当した主治医の心臓外科医計4人が見落とし、患者に説明していなかった。

 23年5月に男性が肺炎で緊急入院した際に発覚。放射線と化学療法の併用で治療したが、24年8月に肺がんで亡くなった。

 同センターでは昨年2月、70代の女性患者の血栓予防が不十分な状態で手術をして脳梗塞を発症する医療事故があり、女性は言語障害と歩行障害を負った。また、県立淡路医療センター(洲本市)では今年1月、50代の女性患者の腹部手術で鉗子のねじが体内に残ってしまい、再手術で取り除いた。

 杉村和朗病院事業管理者は「大変申し訳なく思っている。今後より一層、医療安全対策の取り組みを進め、再発防止に努めていく」とコメントを出した。(井上太郎)