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2021年11月に違法風俗店が一斉閉業した旧かんなみ新地。一部の区画は飲食店として営業している=2021年11月、尼崎市神田南通3
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2021年11月に違法風俗店が一斉閉業した旧かんなみ新地。一部の区画は飲食店として営業している=2021年11月、尼崎市神田南通3
尼崎市が土地建物の取得を表明し、ひっそりと静まり返った旧かんなみ新地=2022年5月、尼崎市神田南通3
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尼崎市が土地建物の取得を表明し、ひっそりと静まり返った旧かんなみ新地=2022年5月、尼崎市神田南通3
旧かんなみ新地で営業していた違法風俗店=2021年3月、尼崎市神田南通3(画像を一部加工しています)
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旧かんなみ新地で営業していた違法風俗店=2021年3月、尼崎市神田南通3(画像を一部加工しています)
かんなみ新地の区画イメージ(尼崎市提供)
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かんなみ新地の区画イメージ(尼崎市提供)
「工都」尼崎の歴史の象徴として、保存に向け尼崎市が用地取得するユニチカ記念館=2022年3月、尼崎市東本町1
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「工都」尼崎の歴史の象徴として、保存に向け尼崎市が用地取得するユニチカ記念館=2022年3月、尼崎市東本町1

 兵庫県尼崎市は15日、一斉閉業した違法風俗街「旧かんなみ新地」の土地建物を取得し、更地にして売却するための事業費2億6900万円を盛り込んだ2022年度一般会計補正予算案を発表した。さらに尼崎の市外局番が「06」になる契機をつくり、市内で現存する最古の洋館とされる国の近代化産業遺産「ユニチカ記念館」の用地取得費4億2千万円を計上した。

■旧かんなみ新地、空き店舗の治安懸念

 違法風俗街が一斉閉業した旧かんなみ新地(神田南通3)をめぐっては、登記簿上の地権者が30人に上り、共有部分の権利関係も複雑だった。市はこれまでに8割の地権者と合意。残りは交渉中だが、市は補正予算に全事業費を計上。「合意できた区画から順に、取得や、現在飲食店として営業中の店舗への補償を進めていく」としている。

 市によると、かんなみ新地は敷地約680平方メートルで、実質2棟の長屋に37戸が連なっていた。戦後から約70年にわたって自由恋愛を名目に違法な風俗営業を続けてきたが、2021年11月に尼崎市長と尼崎南署長が連名で風営法に基づく警告を出して一斉閉店した。

 一部店舗はバーやそば店などの飲食店として営業を続けたが、空き店舗が大半を占めて防犯や治安面の懸念もあるとして、市は昨年6月、一帯の土地建物を取得して更地にし、売却する方針を打ち出していた。

■ユニチカ記念館、観光素材として活用へ

 一方、ユニチカ記念館(東本町1)は基金から全額を繰り入れ、ユニチカ(大阪市)から用地を購入する。建物は無償譲渡を受け、新たに「文化財保存活用基金」を設けてユニチカ修斉会からの寄付2億2千万円を積み立て、修繕や運営経費に充てる。

 同記念館は、英国式のれんが造り2階建て。1900(明治33)年、ユニチカの前身である「尼崎紡績」の本社事務所として完成し、大阪から電話線を引いたことで市外局番が「06」になったとされる。尼崎紡績は市内で最初の大工場で、城下町として栄えた尼崎が「工都」として発展する契機にもなった。

 記念館では近年、同社の創業以来の史料などを展示していたが、老朽化により2019年7月に閉鎖。20年に県が建物の無償譲渡を受け県立尼崎の森中央緑地(扇町)に移築する案を出したが、昨年7月に一転して方針を撤回し、尼崎市で取り組むよう要請。市は「市民共有の財産として残すべき」として、土地(約3千平方メートル)を購入する方針を決めた。

 市は19年にオープンした尼崎城とともに、南部地域の観光や魅力向上に生かす方針。

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