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園内に設置されたおむつ処分用のごみ箱=川西市内(市提供)
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園内に設置されたおむつ処分用のごみ箱=川西市内(市提供)

 公立の保育施設に入所する乳幼児の紙おむつを巡り、保護者が持ち帰るという規則を廃止する自治体が阪神間で増えている。保護者、保育士ともに負担が大きいことに加え、コロナ禍で衛生面への懸念が高まり、施設での処分に切り替える動きが広がっているとされる。国も1月下旬に施設処分を推奨する方針を自治体に通知しており、私立園でも見直しが進みそうだ。

 兵庫県川西市は今年1月から、公立の保育所と認定こども園の計8園(約230人)で、使用済み紙おむつの持ち帰りを廃止した。市教育政策課によると、乳幼児が1日に使う紙おむつは5枚で、水分を含むと1~2キロの重さになる。これまでは保育士が個別のバケツに分別した後、保護者が持ち帰っていたという。

 おむつの持ち帰りは布おむつが主流だった時代からの慣例とされ、紙おむつに移行してからは保護者に便の状態を確認してもらうなどの意義があったとされる。しかし、コロナ禍で衛生面を心配する保護者らの声が高まり、川西市は持ち帰りの廃止を決定した。

 使用済みおむつの大型保管庫を保育施設の屋外に設け、保護者に新たな負担は課さない。担当者は「保育士側にとっても、分別の手間やミスの心配がなくなり、業務負担の解消につながった」としている。

    *   *

 同県の他の自治体もコロナ禍の影響を受けて対応を切り替えている。

 尼崎市では昨年10月から、保護者が持ち帰るか、有料で施設処分するかを選べるようにした。処分費として月300円がかかるが、ほとんどの家庭が施設処分を希望したという。

 芦屋市は数年前から有料で施設処分を実施。宝塚市は1、2年前に持ち帰りを廃止して無料で施設処分をしている。ある市の担当者は「体調の変化は保育士が伝えるし、保護者がおむつを開いて便を確認したという話はほとんど聞かなかった。夏場はにおいが気になり、それを持って買い物にいく保護者がかわいそうだった」と打ち明けた。

 また、西宮市は2022年度から市内4園で試験的に持ち帰り廃止を始め、猪名川町も「廃止に向けて検討していきたい」としている。

 一方、伊丹市はコロナ禍に関係なく、布おむつの時代から各園が施設内で対応しており、保護者に持ち帰りはさせていないという。

 各市町とも、私立の保育所は施設によって対応が異なるとしており、負担軽減策を検討していく方針だ。

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