3日は節分。兵庫県尼崎市北部には人々が鬼を払いつつ、敬意を払うことも忘れない地域がある。豆まきの締めくくりには、こう声を上げる。「茨木童子の里、鬼は内!」。茨木童子といえば、平安時代に都を荒らし回った鬼の酒呑童子(しゅてんどうじ)についた一番の子分鬼で、源頼光に仕えた四天王と因縁の対決を繰り広げたと伝わる。世紀の悪役に寄せる思いとは-。
■2人の対決は能や歌舞伎に
尼崎市富松(とまつ)地区周辺の小学校や幼稚園には毎年2月3日、鬼がやってくる。子どもたちに模造の豆を投げられながら大暴れし、怒鳴り声を響かせる。「いじめっ子はいないか! しっかり勉強しているか!」
学校訪問は、富松神社の氏子青年会が毎年実施。鬼はもちろん、茨木童子という設定になっている。
最も有名な伝承は、丹波と丹後の境にある大江山での戦いだ。鬼退治の命を受けた源頼光らとの激闘の末、親分の酒呑童子は首を斬られるが、茨木童子は四天王の一人、渡辺綱(わたなべのつな)らと戦う途中、退却に成功する。
その後も2人の対決は能や歌舞伎に伝わる。若い娘に化けて渡辺綱を襲うも腕を切り落とされ、取り返しに現れて再び相まみえる。
■土地柄がキーワード
その生涯は史料が乏しく、モデルとなった人物がいたかどうかも分からない。ただ、生まれたのは尼崎市富松地区とする説があり、市立歴史博物館の辻川敦さん(62)は「土地柄がキーワードかもしれません」と言う。どういうことか。
江戸中期の地誌「摂陽群談」には、富松に生まれたが、あまりに醜い風貌のために茨木(大阪府茨木市)に捨てられ、酒呑童子が拾って育てたと記される。
出生の伝承は他にも、茨木姓の多い新潟県長岡市のほか、その名の通り茨木市にもあるが、尼崎説に着目するのは、その土地が多田源氏にルーツがあるからだという。
■片や英雄、片や悪鬼
平安中期、富松周辺には一族が開いた荘園が広がり、開祖の源満仲が建てたと伝わる神社もある。そして、摂陽群談はまさに渡辺綱を近くの武庫庄村で生まれたと記している。
「一帯はいわば、源氏の拠点地です。退治された鬼が同じ地で生まれていたら…。そんな連想が後ろにあるのではないでしょうか」
同郷でも片や英雄、片や悪鬼。人の生きざまは紙一重で変わりかねないという庶民の社会観が、茨木童子を尼崎に呼び込んだのかもしれない。
■人の心を忘れなかった
さらに摂陽群談には続きがあり、茨木童子は両親が病気にかかったと知ると一目散に見舞いに駆けつけ、再会を果たす。捨てられても、親を思う心は忘れていなかったのだ。
この話を基に富松地区では「富松の鬼は、親孝行の鬼」として学校訪問で子どもたちに紹介している。
富松神社の善見寿男宮司(74)は語る。「茨木童子の親は人で、自身も人に生まれながら、なぜ鬼にならざるを得なかったのか。そこに思いを巡らせ、家族を思う心を子ども、そして大人も忘れないでほしい」
人の心を忘れなかった鬼の思いは、現代にも受け継がれている。

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