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 兵庫県内の多くの公立中学校で卒業式開催日が県立高校入試の直前という慣例について、保護者らの受け止めを神戸新聞社がアンケートすると、回答者820人の6割超が望ましい日程を「入試後」とし、自由記述では子どもの心の余裕を気遣う声が際立った。一方で「入試前」は荒れた学校で奔放になりすぎるのを抑える効果があるなどとして慎重さを求める意見もあった。(久保田麻依子)

 アンケートはLINE(ライン)など交流アプリ(SNS)を活用して実施し、回答者は阪神間と神戸市からが目立ち、年代別では40代が5割超と最多で、50代が2割、30代が1割-と子育て世代が中心だった。

 望ましいとする日程は「入試後から合格発表までの間」が4割超で最多。40代の5割、30代の4割を占め「合格発表後」(2割)と合わせると6割超が「入試後」を選んでいた。

 阪神間ではここ数十年間は入試前にしているが「今まで通り(入試前)」としたのは2割弱、「いつでも良い」は1割未満だった。

 長男が今春卒業したという西宮市の40代保護者は「入試を翌日に控えた状態では先生や友だちと別れを惜しむ余裕もなく、残念そうだった。慣例だと思うが、主役である子どもたちの声を聞いてほしい」とした。

 また、阪神北地域の30代保護者は「入試前では合否に不安がある子もいる。自信いっぱいの子と一緒に卒業式を迎えるのは気が引けるのではないか」とし、入試後から合格発表前の期間が望ましいとした。

 一方で「入試直前」の開催にはそれなりの事情もあるとの指摘も。阪神北地域の50代は「かつて中学校が荒れていた頃、入試や合格発表の後に卒業式をすると(生徒たちが自由奔放になって)抑えが効かなくなる」との趣旨を記した。

 ただ、阪神南地域で少年補導員を務める50代は時代の変化も見定めるべきだと主張する。「毎年卒業式に学校周辺を巡回するが、ここ10年以上、問題行動は見られない。入試後だと解放感いっぱいになるのだろうとは思うが、さほど心配はいらないのではないか」

【公立中学校の卒業式日程への主な意見】

■例年、卒業式後に子どもたちが早々に帰宅する様子に違和感があったが、2020年度はコロナ禍の影響で入試後に実施した。晴れやかな表情で卒業の余韻に浸っているのを見て、うれしく思った。子どもファーストで再検討していただきたい。(50代)

■元中学校教員。入試後の生徒は遅刻や学習意欲低下など、落ち着いた学校生活が難しくなる。過半数は公立高校の一般入試を控えているため一定の落ち着きを維持しているが、全員の重荷がなくなると、卒業式が荒れる可能性がある。生活指導が困難になることが予想されるため、入試後は反対。(60代)

■入試前であることの絶対的な理由がないのであれば、感染の危険性などを考慮するなら「入試後」でよい。(50代)

■今年度からの唐突な変更だけはやめてほしい。変更するなら、これまでの経過も踏まえて時間をかけて進めてほしい。(40代)

■高校入試は人生も左右する。まずは難関を頑張って乗り越えるために全力を尽くせる環境づくりをしてあげたい。(40代)

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