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スイーツ豆腐の「もも豆腐『小太郎』」を作った岡本千英さん=尼崎市稲葉元町3
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スイーツ豆腐の「もも豆腐『小太郎』」を作った岡本千英さん=尼崎市稲葉元町3
大豆の濃厚な風味となめらかな口当たりが味わえる「たま豆腐『コボウズ』」(手前)=尼崎市稲葉元町3
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大豆の濃厚な風味となめらかな口当たりが味わえる「たま豆腐『コボウズ』」(手前)=尼崎市稲葉元町3

 うだるような残暑が続く日本列島。ジトジト蒸し暑い日には、甘くてさっぱりしたデザートがほしいけど、カロリーも気になる…。そんな人にぴったりの、桃果汁入りの「スイーツ豆腐」を、兵庫県尼崎市の豆腐・油揚げ店が作った。プリンと違い、にがりで固めた正真正銘の「豆腐」ながら、味はしっかりスイーツ。クリーミーな口当たりだけでなく、白桃のような真ん丸の見た目も涼しげだ。(広畑千春)

 作ったのは同市稲葉元町3で「こぞう直売所」を営む岡本千英(ちひで)さん(51)。熊本名産の「南関(なんかん)あげ」にほれ込んだ。脱サラして京都府亀岡市にある実家の田んぼを受け継ぐと「一人6次産業」を掲げ、収穫した大豆で「六甲あげ」を作り、ネットショップで販売。かつて働いていた尼崎市に2年前、油揚げや米などを売る直売所を出した。

 だが、煮物料理がメインの油揚げは、夏場はなかなか売れない。それなら…と昨年から、豆腐作りに乗り出した。

 店には豆腐作りの設備を置く場所がないため、水ようかんなどに使われるゴム風船様の容器を使い、豆乳をそのまま固める方法に。「通常の豆乳では薄味すぎる」とかなり濃い豆乳を使うことにしたが、今度は濃すぎて豆腐が固まらない。そこで、120度まで加熱できるボイラーを自作して特許を取得。きめ細かな口当たりになるよう実験と試作を繰り返し、3~4カ月かけて「たま豆腐『コボウズ』」が完成し、店頭に並べたところ、好評を博した。

 その後、数人の知人から「豆腐に砂糖を掛けたらおいしい」という話を聞き、半信半疑で試したところ「意外においしかった」と岡本さん。豆乳に砂糖を加えた新商品として今年1月に「みたらし豆腐『こゆき』」を作り、今月には夏向けの新商品「もも豆腐『小太郎』」を発売した。

 「小太郎」は、淡い桃の風味を生かすため、元の濃い豆乳に市販の豆乳を混ぜて、あっさり味をベースに。専用の器とつまようじも付いており、プスっと刺すと風船が割れ、桃の香りが漂う。甘さは控えめで、口に含むと杏仁(あんにん)豆腐にも似た爽やかな味わいが広がる。

 まちの豆腐屋も次々に姿を消し、新型コロナウイルス禍などの逆風も多いが「まちの豆腐屋にしかできないアイデアと工夫で盛り上げたい」と岡本さんが手応えを語る。

 「『こゆき』とともに、目でも舌でも、涼を楽しんでもらえたらうれしい」

 直売所では「小太郎」と「こゆき」は1個150円、「コボウズ」は1個100円(いずれも税込み)で販売。こぞう直売所TEL080・6174・2268

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