来年３月２０日告示、２７日投開票の兵庫県西宮市長選で、現職の石井登志郎氏（５０）が２９日、再選を目指して無所属で立候補することを正式表明した。市役所で記者会見した石井氏は「市職員と改革へのマインド（精神）を共有し、より開かれた市政へ前進させたい」と語った。

　石井氏は、過去２代続けて市長が１期で退任したことに触れ「それなりの足跡を残すには４年では短い」と指摘。「政策を実現するには２期目が重要」と立候補の理由を述べた。

　自身の１期目を「７０点」と自己評価。公約の退職金ゼロや月額給与１８％カットを実現したほか、副市長ら特別職の退職金も「３０年前の水準で高止まりしていたのを是正した」と話した。トップらが範を示すことで「行政経営改革に着手できた」と意義を強調した。

　一方、コロナ禍で「制約が多く、人事制度の改革など思うように進められなかった政策もある」と振り返り、年明けにも公約達成度の検証結果を示す考えを明らかにした。

　２期目に向け、子ども医療費助成の拡充など子育て・教育環境の充実や、先進的な環境施策に取り組むと説明。「地域や市民に権限を持ってもらい、市役所と一緒にまちをつくる仕組みを広げたい」と語り、具体的な公約は「市民と対話を重ね、来年２月ごろには示したい」とした。

　政党推薦を求めるかどうかは「現時点では決めていない。各政党の関係者と話し合っていく」とした。（山岸洋介）