読者からの投稿作品を紙面で掲載する「神戸新聞文芸」のエッセー・小説部門で、1月に入選した作品を紹介します。

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ペットボトル 嶋田隆之・作

 夏になると父を思い出す。

 小学生の頃、夏休みには毎年父と一緒に植物標本を作り、自由研究として提出していた。「一緒に」と書いたが本当は、そのほとんどを父が作った。僕は言われるままに標本を台紙に貼り付け、父の下書きどおりに「苦労・工夫したこと」を書いた。そんな昔に、