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 災害に強い地域は祭りが盛んだと言われる。昨秋、地元西宮で3年ぶりに開催された「だんじり」でも、最終日に駅前で行われたねり回しは迫力満点で、老若男女の見物人で賑(にぎ)わった。以前、旅した米南部ニューオーリンズの街で、陽気な音楽隊のパレードが結婚でも葬式でも音で人々と交流し楽しませる様が彷彿(ほうふつ)とした。

 音を出しながら街を巡るといえば、鉦(かね)と太鼓の音に管楽器が情緒たっぷりのメロディーを奏でるちんどん屋さんの姿を思い出す。かつてはそんな音風景が日本の路地にも身近にあった。最近、出版されたボストン大学教授の阿部万里江さんが書いた『ちんどん屋の響き』は、音を通じて人々の情動を変化させてきた彼らの営みを参与観察し、その存在のユニークさを見事に分析した研究書だ。ちんどん屋の響きは街を賑やかすだけでなく、実は、奏者には見えない家に居る人の心の内面にも語りかけようとしているのだという。

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2023/6/12
 

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