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 旅は魅力的だ。今年の黄金週間には出石までドライブした。街並みを歩くとそこに生きる人々の生活だけでなく、そこに生きてきた人々の姿まで身近に感じられる。違う角度から日本の歴史が見えてきて好奇心が刺激された。

 築120年が経(た)つ永楽館という芝居小屋の客席に座り、当時の劇場の熱気をしばし想像した。この劇場で観(み)る歌舞伎は格別に違いない。兵庫に移住して20年が経つ私に「地元」と呼ぶ親近感を与えてくれたのも、こういった劇場での様々な出会いだった。関西には大小を問わず個性的で魅力的な劇団や劇場も多い。この作品が今、なぜここで上演されているのか、そう問いながら役者さんたちの豊かな語りを体験すると、舞台と私は一期一会の特別な関係で結ばれる。そうして劇場が、演じる側や観る側の拘(こだわ)りを持つ人々の熱量によって、建物としての「箱」から血が通った「居場所」になっていくのを感じてきた。

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2023/5/26
 

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