私が勤めた神戸中華同文学校の設立の経緯を話したい。
1898年、戊戌(ぼじゅつ)の政変で西太后に追われた梁啓超(りょうけいちょう)が日本に亡命。翌年、神戸に来られ、華僑に「中国の言葉や文化を華僑子弟に伝えて行くことは非常に大切である」と説き、華僑学校建設を促した。神戸華僑は大いに賛同し、翌年神戸華僑同文学校として開校した。梁啓超との関係で清朝政府から目をつけられることを恐れ、神戸華僑の中で校長になる者がいなかった。そのため、信頼していた日本の政治家、犬養毅先生に名誉校長を務めてもらうことになった。
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