科学が戦争の生みの親なら、メディアは育ての親だろう。1990年、クウェート出身の難民少女が、イラク兵の非道を泣きながら訴えるテレビ映像が世論を動かして始まった【湾岸戦争】を、覚えているだろうか。後に、クウェート大使の娘による自作自演だったと発覚した【ナイラ証言】だ。
99年にNATO軍が、国連の許可なくユーゴスラビアを空爆し壊滅させた時も、やはり、一方的にセルビアを加害者とする、西側メディアの報道を見せられている。独裁者が大量破壊兵器を隠しているという、横並び報道で始まったイラク戦争も記憶に新しい。
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