1月に開かれた「アルバムラボ」で、思い思いにアルバムを作る参加者ら=神戸市西区美賀多台3、みかたプラザ集会所(峰村さん提供)
1月に開かれた「アルバムラボ」で、思い思いにアルバムを作る参加者ら=神戸市西区美賀多台3、みかたプラザ集会所(峰村さん提供)

 きっかけは、2011年の東日本大震災でした。「家族のアルバムをつくるママの会」を主宰する神戸市垂水区の峰村有里さん(47)。当時は6、4、2歳の3児を育てる専業主婦でしたが、目を覆うような被災地の惨状に「少しでも何かしたい」と、「スクラップブッキング」という自身の趣味の材料をネットで販売し、売り上げを寄付。その一歩が子育て支援につながりました。

 紙製の飾りやテープなどでアルバムを彩るスクラップブッキングは、峰村さんの育児の支えでもありました。赤ちゃんの世話で余裕のない日々。写真を見ながら作業に向かうと、わが子の成長やかわいさを再確認でき、子育てを振り返る時間にもなりました。「ほかのママにもそんな時間を」と13年9月から、販売していた材料を使って教室を開催。参加者は子どもの写真とアルバムを持参し、峰村さんの助言を受けながら作り上げていきます。自然とおしゃべりも弾み、アルバム作りは子どもが喜ぶだけでなく、親の自信や子育ての楽しさにもつながると実感してきました。

 スマホにたまった大量の写真データを整理する方法など、内容は時代に合わせつつ、「ママたちがリフレッシュできる場が必要」と、活動を続ける峰村さん。21年に資格を取り保育士としても働き始め、「子どもと関わるのがさらに楽しくなった」と言い、工作教室など子ども向けイベントにも力を入れています。

(すきっぷスタッフ 萩原 真)