神戸市北区の河野麻衣子さん(40)が主宰する「つなぐのめ」は、早産などで孤独や不安を抱える母親たちがつながる場をつくっています。同じ思いをした一人として、「心が少しでも和らげば」と模索してきました。
2018年8月、第3子の次女を妊娠30週、864グラムで出産。産前からの不眠や不安は退院後にさらに悪化。家事や外出ができない状態でも、周囲から「お母さんがしっかりしなきゃ」と励まされ、自責の念が募りました。小児科医に心療内科の受診を勧められ、産後うつと診断。服薬や精神療法の勉強などを始め、少し落ち着いたものの、低出生体重児と家族が集まる会では子どもの話題が中心。「自分のしんどさを語り合える場がほしい」。自身の願いを機に、21年2月、活動を始めました。
妊娠・出産時の思いなどをインスタグラムで発信し、LINEのチャットによる交流会をスタート。今年からZoom形式に変更し、入院中か入院経験のある子の家族を対象にした交流会と、体調がすぐれない産後の母親同士で話す「ねまきのまんま会」を、月1回ずつ開いています。入院している次女のため家族でお守りを作り、前向きな気持ちになれた経験から、フォトフレームを作りながらおしゃべりする「ハンドメイド交流会」も不定期で開催。
後回しにされがちな母親へのケアが、必要な人に届くように。支援サービスなどの情報を発信する居場所づくりも目指しています。(すきっぷスタッフ 萩原 真)
2024/07/14 神戸新聞
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