室内あそび場「PORTO(ポルト)」と連携して開いたイベント「まちなかパパひろば」の様子=2023年4月、神戸市中央区八幡通4、PORTO(永山優さん提供)
室内あそび場「PORTO(ポルト)」と連携して開いたイベント「まちなかパパひろば」の様子=2023年4月、神戸市中央区八幡通4、PORTO(永山優さん提供)

 男性も当たり前に子育てを担い、楽しめるように-。神戸市職員でつくるグループ「ファザーリングKOBE」は、交流を通して〝パパ育児〟を応援しています。

 「以前は仕事人間だった」という共同代表の永山優さん(40)は、長男(5)の誕生時、仕事にも好影響を及ぼすのではと考え、9カ月の育児休業を取得。子育ての大変さを体感したものの、復帰後は再び長時間労働に戻り、精神面の不調から休職しました。「家庭に自分の代わりはいない」と痛感し、働き方を見直したと言います。

 周囲に育休を取った男性はおらず、一人で悩んだ経験から、「子育てをしたい男性がつながれる場を」と2021年3月、同じく育休経験のある男性職員5人で同グループを発足。現在は女性や独身の職員も含む33人に増え、子ども同伴のワイン会やキャンプなどを楽しんでいます。年数回開くオンライン勉強会は誰でも参加可能。両立などの相談にも応じています。

 日本の育休制度は「世界一」と言われるものの、男性の取得率は約17%(22年度)。同グループは育児のテクニックより、夫婦で分かち合い、周囲にも頼ることの重要性や、子育てがいかに期間限定か-といった意識や価値観を共有しています。

 永山さんは今後、将来的に結婚や育児を考える世代が多様な「ライフキャリア」を思い描ける機会をつくりたいとし、「『男性の育児』とわざわざ語る団体が不要な社会にしていけたら」と話しています。

(すきっぷスタッフ 萩原 真)

2024/04/14(日) 神戸新聞