赤ちゃんからお年寄りまで、全世代がアートを通して交流する場へ。昨春リニューアルした神戸市兵庫区の「新開地アートひろば」は、ベビーカーを押すママ、パパが次々に訪れる地域拠点に変貌しました。
前身の神戸アートビレッジセンターは、大衆文化のまち・新開地をアートで活性化しようと同市が1996年に開設。若手芸術家の支援が中心でしたが、近年、周辺に子育て世帯が増えたこともあり、より開かれた施設を目指し、再出発したのです。
小学生までの子と保護者が無料で遊べる「てててパーク」を1階に新設。有馬玩具博物館(同市北区)監修の木のおもちゃや絵本をそろえ、1年で約1700人が登録しました。休憩やおしゃべりに使えるフリースペースや授乳室もつくり、市民トイレはきれいに改装。道行く人にも中がよく見えるガラス張りの構造で、「何をする場所?」とフラッと立ち寄る人も多いとか。
展示や発表が主だったイベントは、幼児も満喫できる「参加型」が大幅増。施設全体を「あそび場」として捉え、多彩なアーティストとダンスやまち歩きなどを楽しむ月替わりの企画は、あっという間に満席になる講座も出る人気といいます。
広報担当の野澤美希さん(30)は「リニューアル後、多様な人に利用してもらえるようになり驚きの連続。気軽にアートと出合える場になれていたらうれしい」。1歳の長男と初訪問したという女性は「走り回る子とも安心して過ごせた」と話していました。(すきっぷスタッフ 萩原 真)
2024/03/10(日) 神戸新聞