「キャナルタウンおやこひろば」でおしゃべりやおもちゃ遊びを楽しむ親子=神戸市兵庫区駅南通5
「キャナルタウンおやこひろば」でおしゃべりやおもちゃ遊びを楽しむ親子=神戸市兵庫区駅南通5

 神戸市兵庫区、JR兵庫駅前のビル4階にある「キャナルタウンおやこひろば」には、1日平均30組以上の親子が訪れます。おもちゃの多種多様さや利便性の良さだけでなく、「横のつながりで楽しく子育てをしてほしい」という支援者の思いが、温かな雰囲気と魅力を生み出しています。

 同市の子育て支援拠点は児童館や大学などに多く、「駅近で乳幼児が安心して遊べる場を」とのニーズを受け、市が2020年2月に開設。同市社会福祉協議会が運営しています。

 明るく広々としたひろばで、児童館で30年以上指導員を務めた子育て相談担当の永山康子さん(63)らが、親子にさりげなく声をかけます。コロナ禍で出産し、つながりのないまま子育てをしている人が多いといい、助産師への個別相談や保護者同士の交流ができる「子育てシェアタイム」、発達がゆっくりな子と保護者の茶話会、子どもの行動の理解の仕方を学ぶ「ペアレント・プログラム」などを定期的に開催し、仲間づくりのきっかけにもなっています。

 近くに住む中田奈月さん(37)は、8カ月の長女奈那ちゃんとほぼ毎日利用。離乳食や成長発達面など、気がかりは何でもスタッフに相談できたそう。「人見知りのわたしでも友人ができた。ここに住んでよかったと思えるぐらい、助かっています」と話しています。

 人との関わりがあるひろばは、ただの「場所」ではなく大切な居場所となっています。

(すきっぷスタッフ 萩原 真)

2023/10/08(日) 神戸新聞