他店で断られた猫さんのトリミング動画が話題 (「ドッグサロンmarching」さん提供、Instagramよりキャプチャ撮影)
他店で断られた猫さんのトリミング動画が話題 (「ドッグサロンmarching」さん提供、Instagramよりキャプチャ撮影)

「やかましくてかわいい」
「猫さんもトリマーさんもお疲れ様でした」

元気いっぱいの猫がトリミングされる動画に、そんなコメントが相次いでいます。

投稿したのは、名古屋市中村区でドッグサロンとペットホテルを営む「ドッグサロンmarching」(@dogsalon_marching)さん。動画に登場するのは、ラグドールの「そらくん」。実はこの猫、他のトリミングサロンで“出禁”になってしまったという少し変わった経歴の持ち主です。投稿者に話を聞きました。

■「招き猫になれば」…投稿した理由

そら君の動画を投稿したきっかけについて、サロンの担当者はこう話します。

「“招き猫”という言葉があるように、お客様が増えたらいいなと思って猫ちゃんの動画を載せました。インパクトがある方が見てもらえると思い、ラグドールのそらくんにしました」

すると投稿後、予想以上の反響があったそうです。

「トリミングサロンや動物病院で断られたお客様からの問い合わせが多数来ました。また『猫のトリミング動画は少ないので、もっと見たい』という声もありました」

■他店で断られた理由「暴れるから無理」

そら君はどんな猫さんなのでしょうか。

「ドライヤーやブラッシングが大嫌いで大暴れします。男の子で体も大きく力もあるので、保定が大変です。ただかみつくことはなく、元気で優しい子です」

飼い主さんによると、以前、別のサロンに連れて行った際、受付後に外へ出たところ、トリマーさんが追いかけてきてこう言われたそうです。

「暴れるから無理です!」

その後も複数のサロンに問い合わせたものの、すべて断られてしまったといいます。

■一番驚いたのは「シャンプー」

実際にトリミングしてみて、最も大変だったのは「保定」でした。

「猫は体が柔らかいので、タオルで巻いたりエリザベスカラーを使ったり工夫しないとすり抜けてしまいます」

一方で、意外な一面もあったそうです。

「印象に残ったのはシャンプーです(笑)。シャンプーは気持ちよかったのか、とてもお利口でした。そのギャップが面白かったですね」

動画には、鳴きながらもトリミングを受けるそらくんの様子が映っており、SNSでは…

「シャンプーの時だけおとなしいんですね」
「本人は必死なのに可愛くて笑ってしまった」

などのコメントが寄せられています。

■猫のトリミングが少ない理由

実は、猫のトリミングを行うサロンはそれほど多くありません。

「猫は犬より水や音、刃物を怖がり、環境の変化にも敏感です。逃げ足も早く、四本足で立ってくれないことも多いです」

そのため、同サロンでは次のような工夫をしています。

・シャワーヘッドを外して静かに洗う
・ハサミは猫から見えない位置で使う
・ドライヤーはできるだけ静かに

それでも猫のトリミングを断るサロンが多い理由は、ケガのリスクだといいます。

「猫は身体能力が高く、瞬発的に攻撃することがあります。トリマーにとって手は商売道具なので、ケガを恐れて対応しないところも多いです」

■「断られた猫」が県外からも来店

動画の投稿後、相談はさらに増えました。多いのは、次のようなケースです。

・サロンで途中までやって暴れて返された
・動物病院で鎮静剤を使う前提と言われた
・シニア猫で断られた

「鎮静剤を打つと、数日ご飯を食べられなかったり、目が覚めてもぼーっとしてしまうと心配される飼い主さんもいます」

中には県外から来店する人もいました。

「ブリーダーのトリマーさんにも断られ、サロンでも途中でできないと言われ、縋る思いで来たという方もいました」

トリミング中、飼い主は「また断られるのでは」と不安で近くで待っていたそうです。

「終わったあと、とても喜んで帰っていかれました」

■長毛猫はトリミングが必要

最後に、長毛猫の飼い主さんに向けてアドバイスを聞きました。

「猫は犬より皮脂が多く、毛が柔らかいため毛玉ができやすいです。グルーミングが苦手な子やシニア猫は、特に毛玉になりやすいです」

毛玉は放置すると皮膚炎などの原因にもなります。

「毛玉になると、痒くてもかけないなどデメリットしかありません。いちばん困るのは猫ちゃんです」

そのため、

・毎日のブラッシング
・定期的なプロのトリミング

をすすめているといいます。

「猫にトリミングは必要ないと思っている方も多いですが、長毛猫は必要です。私たちは、行き場所のない猫ちゃんを少しでも救いたいと思っています」

(まいどなニュース特約・渡辺 晴子)