池を素早く泳ぐヤマカガシ/どんぐりいろは/小さな自然図書館さん(@donguriiroha)提供
池を素早く泳ぐヤマカガシ/どんぐりいろは/小さな自然図書館さん(@donguriiroha)提供

自宅の庭に作った小さな池で起きた、ヤマカガシ(ヘビ)とカエルの攻防を撮影した動画がYouTubeに投稿され、注目が集まりました。

投稿したのは、長野県に家族で移住し自然を楽しむ様子を発信しているYouTubeチャンネル「どんぐりいろは/小さな自然図書館」さん(@donguriiroha)。動画には、カマキリやトンボには見向きもせず、カエルを執拗に追うヘビの姿が記録されています。獲物と狩る側の緊迫したやり取りに、自然の厳しさとしたたかさを感じた視聴者から驚きの声が寄せられました。

撮影は2025年9月。池から物音が聞こえたため、投稿主さんが居間の窓からそっとのぞくとヤマカガシの姿が見えたそうです。

「庭の池で、カエルをしばしば捕食しているのを確認していたので、今回も狙っているのだろうと思いました」

ヤマカガシは体長1メートルほど。カエルは6センチほどのトノサマガエルです。夏には30匹ほどいたカエルは秋には10匹ほどに減少。残ったのは「運動能力の高い“精鋭カエル”だけ」といいます。

池には、カマキリやトンボなどさまざまな生き物が集まります。しかしヤマカガシは、それらには目もくれずカエルだけを探していました。

撮影中、ヘビもカエルも驚くほど素早く動き続けました。ヤマカガシが池を大きく波立たせながら泳ぎ、カエルが一瞬で姿を消すなど、目を離せない状況が連続したそうです。

カエルは長く潜れず、数分で浮上してきます。ヤマカガシが背後にいる状態でカエルが浮かび上がりますが、気づかずにすり抜ける緊迫した場面もありました。

この日は、ヤマカガシはカエルを捕まえることができませんでした。

撮影中の危険について尋ねると、「ヤマカガシは非常に臆病で、近づくとすぐ逃げてしまうので、こちらからちょっかいをかけない限り危険は少ないです」と話します。窓をそっと開け、約5メートルの距離から2時間ほど撮影したといいます。

「庭ではヤマカガシが大型の鳥に襲われる場面を見たこともありますし、カエルはバッタやコオロギを食べています。どちらも生きるために捕食する側・される側を繰り返し、生態系の歯車の一部を担っていると感じます」

視聴者からは、どちらか一方に肩入れするのではなく、両者の必死さに触れたコメントが多く寄せられたそうです。

「自然への興味や関心を持つことが、地球温暖化や環境問題を考える一歩になると思います。この動画も、自然環境の大切さを感じるきっかけになればうれしいです」