150年前、神戸-大阪間で使われたと考えられている双頭レール(兵庫県立歴史博物館蔵)
150年前、神戸-大阪間で使われたと考えられている双頭レール(兵庫県立歴史博物館蔵)

■日本考古学が専門 鈴木敬二学芸員

 この写真に写るのは、昔の鉄道レールです。よく見ると、現代のものと明らかに違う部分があります。皆さん、お気づきですか。

 実はこれ、リバーシブルなんです。鉄道レールは、列車がスムーズに進む役割を担っています。だから通常は車輪に接する上側の断面は丸く、枕木などを介して地面に接する下側は平たく、安定して設置できるようになっています。

 ところが、これは上下両側とも丸い「双頭レール」です。今から150年前の1874(明治7)年5月11日に開業した神戸-大阪間(現・JR神戸線)で使われたと考えられ、その後は大阪市内のビルの基礎として鉄骨代わりに再利用され、ビルの解体現場で発見されました。