絵描きの友人・中野真典さんの展覧会が終わって、ひと息に秋がやってきました。こんどこそ本物の秋です。思えば9月は嵐のようでした。原稿書きの仕事をいくつもしながら、お客さん用の布団を干したり、山ほど買い物をして、カポナータやカレー、塩豚、蒸し鶏、即席塩ジャケなど、日持ちのするごちそうを仕込んだり。
展覧会の間は、三宮のギャラリーまで、海を見ながらバスに乗って行っていました。アスファルトの照り返しが思いのほか強く、真夏みたいな日もありました。日傘を差し、友人たちと水を飲みのみ歩いたのも、もうずいぶん前のことのよう。今回は新しい絵本の立体原画と、旧作から近作まで、合わせて200枚近くの絵が並ぶ大きな展覧会だったので、中野さんは搬入の日からうちに泊まり込み、友人たちもあちこちから寄り集まって、お祭りのような日々。暮れゆく空を眺めながら、飲んだり、食べたり、しゃべったり。会場で懐かしい友にばったり会い、連れて帰ったこともありました。