商工会編
淡路市商工会長 津田豊氏
島外からの進出業者支援
-淡路市の地域経済の現状は。
「総合人材サービス・パソナグループ(東京)が2008年に若い世代の独立就農を支援する農場『パソナチャレンジファーム』を開設して以降、島外からの企業進出が相次いでいる。13年に化学品メーカー東洋合成工業(同)が工場を操業、15年に攪拌機メーカーのプライミクスが大阪から本社を移した。パソナグループも本社機能の一部移転を進めるなど、地域経済は大きく変化している」
「観光関連施設も急激に増えた。『西海岸』と呼ばれるようになった西浦地区の夕日など、私たちが当たり前だと思っていたことに価値を見いだし、柔軟な発想はとても勉強になる。廃校になった小学校もレストランなどに生まれ変わり、活用されている」
-大きな変化に伴う課題もあるのでは。
「企業誘致が進んだことで、働き手が地元企業から流れてしまい人材の不足が著しい。住居の確保や各種補助などと合わせて、人材の誘致にも市と一緒に取り組んでいる」
-商工会の取り組みは。
「飲食店などの新規開業者も増えている。19年に『ビジネスサポートセンター』を開設し、経験豊富な専属スタッフが相談に乗っている。商工会の支部につなげて伴走支援し、新規会員との交流会も催している。せっかく来てくれたからには地域に根付いてほしい」
「観光客でにぎわう道の駅や伊弉諾神宮周辺の再整備を提言するなど、各支部の活動も活発化している。景気の『気』は気分の『気』と言うが、まさに前向きに動いている」(聞き手・石川 翠)
【つだ・ゆたか】慶大商学部卒。84年家業の建設機械加工ツダ、99年社長。12年から観光施設「淡路ワールドパークONOKORO」の指定管理者代表。16年淡路市商工会副会長、19年会長。趣味は映画観賞。淡路市出身、在住。
〈データ〉
所在地 淡路市志筑新島5の2
設立 2007年4月、旧津名郡の5町(津名、淡路、北淡、一宮、東浦)の各商工会が合併
会員数 1232(2024年1月17日時点)
副会長
三津久直・ミツ精機会長
米山正幸・ほくだん社長
製造品出荷額等(淡路市、2020年) 556億3767万円=兵庫県内41市町中28位
町内総生産(淡路市、2020年度名目値) 1407億8300万円=兵庫県内41市町中28位
URL https://sci-awaji.jp/