県立農業高校(加古川市平岡町新在家)生物工学科の生徒らが、倒伏しやすい酒米「山田錦」の課題を克服しようと、DNA鑑定で品種選抜を行い、通常より草丈の低い新たな酒米の栽培に成功した。今後、稲美町の協力農家に種もみとして提供され、来春から本格的な試験栽培に入る。この酒米は同市内唯一の酒造会社「岡田本家」(野口町良野)で醸造される予定で、山田錦の遺伝子を継いだ新世代の酒米が誕生する。(増井哲夫)
■酒造会社「岡田本家」が試験醸造
山田錦は1936年、酒造りに適した「山田穂」と丈の低い「渡船(わたりぶね)」という2品種を交配し誕生した日本酒の代表的酒米。同学科の今村耕平教諭(60)=農学博士=と生徒らは、丈が低く倒れにくい「渡船」の性質が十分に引き継がれていないことに着目。2018年度から研究を始め、24年度は3年生3人を中心に取り組む。