兵庫県丹波篠山市遠方(おちかた)の「オータニにしきカントリークラブ」に、今年もカラフルな景色が現れた。クラブハウスのカート乗り場付近の軒下などに、色とりどりの傘がつり下がる。上では、海を越えて渡ってくる夏鳥のコシアカツバメたちが羽を休めている。風に揺れる傘は、実は彼らの暮らしと子育てを見守る粋な「ゆりかご」なのだ。(秋山亮太)
コシアカツバメは全長約18・5センチで、一般的なツバメより一回り大きい。腰がれんが色なのが特徴で、泥などを使って、とっくりを縦半分に割ったような形の巣をつくる。同クラブハウスにも毎年巣がかかり、初夏から秋にかけて数百羽が飛来するという。
傘をつるすようになったのは10年ほど前。きっかけは利用客へのふんよけだった。巣の真下に傘を広げてふんを受け止め、人の動線を確保しながら、ツバメの営みも守る。追い払うのではなく、受け止めて共に過ごすための工夫で、傘の配置は巣の位置や利用状況に合わせて少しずつ調整してきた。傘は汚れを落として清潔さを保ち、利用客にも快適な環境を提供している。
透き通る生地越しにツバメのシルエットが浮かび、数羽がクラブハウス周辺を軽やかに舞う。支配人の平良康長さんは「お客さまにもツバメにも、ここが心地よい場所であってほしい」と話す。
眼下ではゴルファーが静かにパットを沈める。頭上からは「ジュリリ、チュー」と愛らしい声。人と鳥が場所を共有して過ごす光景が、今年も続いている。























