交流サイト(SNS)をきっかけにつながり、投資名目で金をだまし取る「SNS型投資詐欺」が増えている。兵庫県警によると、5、6月から認知件数は増加傾向にあり、丹波篠山市でも8月、地元女性が被害に遭いかける事案が発生した。どのように近づき、巧妙に誘ってきたのか。「注意喚起になれば」と、女性が当時の状況を振り返り、語ってくれた。(秋山亮太)
■フォローがうれしくて
被害に遭いそうになったのは、丹波篠山市に住む50代の水内広美さん(仮名)。普段から人と接する仕事をしており、知人に勧められて今年6月、情報発信のためにインスタグラムを始めた。投資の経験はあったが、警戒心から「知らない人の話は信用しない」と決めていた。
そんな水内さんのもとに8月7日、一つのアカウントからフォローがあった。慣れない操作の中、とりあえずフォローを返したところ、「投稿を見てとても良いと思い連絡した」と「井上綾香」と名乗る女性からメッセージが届いた。最初は警戒したが、「反応がうれしくて返してしまった」と水内さん。本名は明かさず、「兵庫県のおばさんです」と返すと、井上は「私も7月で40歳になった」と世代が近いことを強調し、親しげに話題を広げていった。