2012年の閉館から復活し、映画のともしびを守り続けてきた豊岡劇場(豊劇、豊岡市元町)。赤字脱却が目前だった20~22年、新型コロナウイルス感染症が世界的に大流行した。外出規制で客足は途絶え、再び赤字が膨らんだ。
オーナー一家から豊劇を譲り受け、再生に取り組んだ不動産会社「石橋設計」の石橋秀彦さん(55)は、自社が一身で赤字を負担してきたが、やむなく休館を決意。施設の管理と運営を分離し、劇場スタッフだった田中亜衣子さん(38)らが一般社団法人「豊岡コミュニティシネマ」を立ち上げて運営を引き継いで、23年3月に2度目の再開にこぎ着けた。