3カ月のご無沙汰でした。実は昨年11月に「公立豊岡病院」に入院し、しばらくお休みさせてもらっていました。病名は「右側頭葉皮質下出血」。2度目の脳出血です。1度目は左被殻部の毛細血管だったので、前回とは逆側の違う場所からの出血となりました。
でも心配には及びません。今回は麻痺(まひ)が全く出ておらず、身体への影響はほとんどありませんでした。入院も1度目の5カ月に対して17日間と短く済みました。最初は「脳出血再発!?」と驚きましたが、今回の入院は私にとって多くの学びがあり、貴重な経験となりました。2回続きでその時の話をしようと思います。
発症は昨年11月12日の夕方。最初の異変は、用事を済ませて帰る途中の車中でした。肩から背中にかけて凝り固まったような感覚に「脳卒中?」が頭をよぎります。ただ、手も足も普通に動かせるのです。到着したら自分で車を降り、しっかり歩いて家に入りました。手を洗って着替え、寝室のある2階へ上がるのも何の苦もなく出来るのです。
しかしそのあと今までに経験したことのないほどの激しい頭痛に襲われます。くも膜下出血の症状と言われる「バットで殴られたような痛み」とは違うし、時間が経っても相変わらず手足は動くし、喋(しゃべ)れるし、脳卒中のサインとは微妙に違う症状に私は救急車を呼ぶことを躊躇(ちゅうちょ)します。下手に知識があるからこそ、脳卒中の可能性を捨てかけました。正常性バイアスがあったのかもしれません。
市販の鎮痛剤を飲んでも痛みは激しさを増してきたので、救急車を呼ぶべきかどうかを判断してもらえる「#7119」にかけてみました。でも但馬では利用できないようでした。そこですんなり救急車を呼べばよかったのかもしれませんが、それでも「大したことなかったら悪い」と思うと確信が持てず、悩んだ末、公立豊岡病院に直接電話して相談しました。すると「すぐに来てください。時間外なので救急外来で受け付けます」と言われ、自家用車で向かいました。
車いすを借りて中に入ると、20人ほどの患者さんがいて、主人は救急車を呼ばなかったことを後悔したそうです。でも「さっき電話をした者」と告げた際、たまたま私が吐き気を催したことで先にCTを撮ってもらえました。緊急・重症度に応じて優先順位をつける「トリアージ」をしてもらったのです。それで脳出血と断定できて処置に入ることができました。後から担当の先生に「救急車を呼ぶべきだったのか」と確認した際にも「今回はこれが正解です」と言ってもらえたと聞いています。
「異変を感じたら救急車」「自家用車で行くのはダメ」と思い込んでいたので、これは目から鱗(うろこ)でした。「おかしいと思ったら救急車を呼ぶ」は基本ですが、出払っていることもあり得るし、自家用車の方が早い場合もあるかもしれないし、自力で行くのもありなんですね。ただ、一般外来で診察を待つ間に重症化した事例もあるので、自家用車で向かう場合は、事前に連絡しておくか、受付などで緊急性が高いかもしれない症状だというのを伝えることをお忘れなく。