明治安田J1リーグ第28節第1日の30日、ヴィッセル神戸はノエビアスタジアム神戸(神戸市兵庫区)で横浜F・マリノスと対戦し、武藤の今季初ゴールで1-0で制した。2試合ぶりの白星で16勝5分け8敗の勝ち点53とし、暫定2位となった。
265日ぶりの一発が、値千金の決勝点となった。帰ってきた神戸の武藤が前半に先制弾。「長くチームに迷惑をかけた分、結果で返していかないと」。本拠地では横浜Mを相手に実に14年ぶりの勝利をもたらした。
前半37分。エリキが右サイドを強引に突破すると、中へ入れて宮代がスルー。背後の武藤が右足を鋭く振り抜いた。武藤にとって連覇を決めた昨季最終節の湘南戦以来のゴールだった。
昨季の最優秀選手(MVP)は5月に腰の手術を受け、今月に復帰した。「正直、ここまでうまく戻れると想像していなかった」。4カ月半ぶりの先発だった前節C大阪戦は状態を戻す途上。ただ「ずっと痛みがあった中で怖さが出ず、一つ殻を破れた。自信につながる」と語っていた。
そこから中6日で迎えたこの日はウイングで持ち味を発揮。好クロスで大迫が頭で合わせる絶好機も演出した。先制後も攻守に体を張って果敢なプレーを見せた。
後半、チームは自陣深くに侵入を許したが、20分過ぎのピンチは1対1の至近距離でGK前川が好セーブ。最後まで1点を守り切った。
ヒーローインタビューで、「アシスト、ゴールを積み上げて勝利に貢献し、最高の景色を見たい」と武藤。取るべき選手が点を取って今夏を締め、終盤戦へギアを上げる。(井川朋宏)