サッカーの天皇杯全日本選手権は27日に準々決勝があり、J1のヴィッセル神戸は、レモンガススタジアム平塚(神奈川県平塚市)でJ3のSC相模原(神奈川)と対戦して1-1のまま延長でも決着せず、PK戦の末4-2で破り、2年連続の4強入りを決めた。
勢いに乗る相模原に大苦戦し、1-1のまま3戦連続の延長戦でも決着せず迎えたPK戦。神戸を救ったのは最年長36歳のGK新井だった。
先攻の相手1人目のシュートを読み、左に跳んでセーブした。相模原は4人目も失敗した一方、神戸は4人連続で成功。最後にジェアンパトリッキが決めると、イレブンはほっとしたように喜びを分かち合った。
神戸は23日にあったリーグ戦のC大阪戦から先発10人を入れ替え。吉田監督は「相手は勢いがあり、入りから集中してやらないと勝てない」と警戒していたが、前半15分にFKを起点に失点。最終ラインを固める相手に対してボールを保持したが、積極性に欠けたプレーでゴールに迫れず、好機は限られた。
0-1の前半30分。井出の右クロスに小松が頭でぴたりと合わせて同点に。7月にJ2秋田から加入し、移籍後公式戦で初ゴールとなった。試合前日の取材で「自分の存在価値はゴールを取ること」と宣言。今季J2で10得点中7得点を稼いだ頭で、有言実行の働きを見せた。
同点のまま後半から主力を相次いで投入したが、1点が遠かった。指揮官は「チームみんなで成長できるように、もっとやらなきゃいけない」と語ったが、収穫は小松の得点のみか。準決勝に進んだことが何よりの救いだった。(井川朋宏)