明治安田J1リーグ第27節第2日の23日、ヴィッセル神戸は敵地のヨドコウ桜スタジアム(大阪市)でセレッソ大阪と対戦し、エリキが得点して1-1で引き分け、15勝5分け8敗の勝ち点50となった。
両者の強みがぶつかり合い、痛み分けとなった。過密日程の神戸は同点に追い付いた後半、次第にC大阪に流れを渡し、耐えしのぐのがやっとだった。
1点を追う後半開始から吉田監督は早めに手を打ち、大迫とエリキを投入。この采配がぴたりとはまった。
3分。GK前川からのロングキックを起点に敵陣に進入し、大迫が競り合いから相手を欺く短いパスを供給。これにエリキが抜け出し、GKと1対1で冷静に右足で左へ流し込み、同点に。「あの時間帯で大事な1点。サコ(大迫)がいい壁になってくれてお膳立てしてくれた」と感謝した。
広島戦から中2日で先発4人を入れ替え、5月に腰の手術を受けたFW武藤が4カ月半ぶりに先発。前線から連動して圧力をかけたが、かいくぐられた後にカウンターで速攻を仕掛けられた。
前半35分に縦に速い攻撃で自陣深くまでつながれ、元日本代表MF香川に左足で突き刺された。同点に追い付いた後半にも相次いでピンチを招いたが、前川が好セーブ。味方の長いバックパスであわや失点かという場面も落ち着いてしのいだ。
5月に逆転負けした相手に対し、連敗しなかったのは救いか。吉田監督は「この勝ち点1をポジティブに捉え、残り10試合を全て勝つつもりでいく」と前を向いた。(井川朋宏)