後に世界王者となる石田順裕さん(右)と記念撮影する小学1年の穴口一輝さん=2006年12月(家族提供)
後に世界王者となる石田順裕さん(右)と記念撮影する小学1年の穴口一輝さん=2006年12月(家族提供)

 家族は最後の言葉を聞けなかった。母の美由紀は想像するしかない。壮絶な日本王座戦。「あの子には(その先の)世界(ベルト)が見えていた。試合途中に、俺勝っているよなと、何度も言っていたそうです」。最終10回。「絶対に取ってきます」とセコンドに言って、穴口一輝は青コーナーを飛び出した。それが最後の言葉になった。