青森県で8日夜、最大震度6強を観測した地震について、神戸大都市安全研究センターの吉岡祥一教授(地震学)は「地震の規模や距離などから、南海トラフ巨大地震への影響は考えにくい」とした上で、「真冬や深夜の地震に備え、あらためて避難経路や非常用持ち出し袋の点検を」と呼びかけた。
気象庁によると8日夜の地震は、規模を示すマグニチュード(M)は7・5と推定。1995年1月17日の阪神・淡路の7・3より大きく、吉岡教授は「数字上は阪神・淡路の約2倍のエネルギーを放出したと考えられる」と話す。
近い将来の発生が懸念される南海トラフ地震では、政府が今年3月、全国で最大29万8千人が死亡するとの新たな被害想定を公表した。吉岡教授は「距離が離れていることなどから、今回の地震が南海トラフを刺激するとは考えにくい」と指摘する。ただ南海トラフ地震に限らず発生は予知できないため「避難する時にも昼間と夜とでは全く違う。冬場の避難は体調を崩しやすい。ハザードマップを確認し、防寒用具を含めた持ち出し袋を準備してほしい」と話した。(上田勇紀)
























