猪名川町は８日、前教育長（６７）が今年５月、元教育長や元ＰＴＡ関係者らと面談した際、町立中学校で起きたいじめ被害者の実名を挙げたことが、守秘義務違反に当たるとの調査結果を公表した。前教育長は８月末、一身上の都合を理由に辞職しており、町は今月４日に「戒告に相当する行為」と文書で通達した。
町によると、前教育長は１月、町立中学校の生徒の保護者と面会し、いじめ被害について相談を受けた。５月に元教育長や元ＰＴＡ連合会会長らと面談し、その後の対応について説明した際、最初は関係者を匿名としていたが、最終的に被害生徒の保護者の名字を挙げて話したという。
町は元教育長らの通報を受けて６月から調査を開始。前教育長が発言を認めたため、町任用・懲戒審査委員会で処分を決めた。
岡本信司町長は「町教育行政に対する信頼を著しく失墜させてしまったことを深くおわび申し上げます」とコメントを出した。（小林良多）
