神戸市長田区の育英高校が、インターネット上の仮想空間「メタバース」を生徒たちの手でつくりだす取り組みを進めている。プロの指導を受けながら、実際の校舎をモデルに仮想の学校空間を構築しており、将来的にはその中で人々がコミュニケーションできるようにする。学校がこうした学びを取り入れるのは全国でも異例で、地域交流の場づくりと学生起業家の育成も目指す。(久保田麻依子)
夏休みの8月下旬、同高のコンピューター室で、1、2年生の男子生徒数人がパソコンを操作していた。画面上で校舎をデザインしている。本館や体育館、校門などを手分けし、事前に撮った外観写真をもとに、窓枠の数も再現する。地図サイトを参考にしながら、上空から見た景観も描く。
メタバースを使った学習支援を進める「monoAI technology(モノアイテクノロジー)」(本社・神戸市)のスタッフから学ぶ集中講座。受講した生徒たちが専門ソフトの使い方を教えてもらい、簡単な造形物を3Dで制作した後、校舎のデザインに取りかかった。