神戸・三宮のオフィス街で、ランチタイムに列を成していた弁当の路上販売車が今夏、突如として姿を消した。少なくとも20年以上、周辺のオフィスワーカーが低価格で昼食を確保しようと並ぶ光景が日常だった。「これからどこで弁当を買えば…」とのランチ難民の嘆きも聞こえてきそうだが、異変の背景には「パーキングメーター」を巡る複雑な事情があった。(井沢泰斗、森下陽介)
路上販売車が営業していたのは、神戸市役所4号館(同市中央区江戸町)の南側一帯の道路。平日は午前から7~8台のワゴン車が並び、500~700円の弁当を販売していた。正午にもなれば周辺の企業や官公庁で働く人がずらりと並び、なじみの店員と談笑する姿も見られた。
市職員らによると、路上販売が確認されたのは2000年代はじめとみられる。しかし、そんな日常は突然に終わりを告げる。