かつて神戸市役所の近くの路上で弁当を販売する風景は日常だった。パーキングメーターがある路上などに車が止められていた=2012年6月、神戸市中央区江戸町(画像の一部を加工しています)
かつて神戸市役所の近くの路上で弁当を販売する風景は日常だった。パーキングメーターがある路上などに車が止められていた=2012年6月、神戸市中央区江戸町(画像の一部を加工しています)

 神戸・三宮のオフィス街で、ランチタイムに列を成していた弁当の路上販売車が今夏、突如として姿を消した。少なくとも20年以上、周辺のオフィスワーカーが低価格で昼食を確保しようと並ぶ光景が日常だった。「これからどこで弁当を買えば…」とのランチ難民の嘆きも聞こえてきそうだが、異変の背景には「パーキングメーター」を巡る複雑な事情があった。(井沢泰斗、森下陽介)

 路上販売車が営業していたのは、神戸市役所4号館(同市中央区江戸町)の南側一帯の道路。平日は午前から7~8台のワゴン車が並び、500~700円の弁当を販売していた。正午にもなれば周辺の企業や官公庁で働く人がずらりと並び、なじみの店員と談笑する姿も見られた。

 市職員らによると、路上販売が確認されたのは2000年代はじめとみられる。しかし、そんな日常は突然に終わりを告げる。