「語り続けるために、まず健康でないと」と語る川内工一さん。今も毎週テニスに親しむ=西宮市内(撮影・大田将之)
「語り続けるために、まず健康でないと」と語る川内工一さん。今も毎週テニスに親しむ=西宮市内(撮影・大田将之)

 1歳10カ月のとき、長崎で被爆した西宮市原爆被害者の会会長の川内(かわち)工一(こういち)さん(81)=同市=は9日、原爆投下から80年を迎える古里での式典に参列する。幼くて当時の記憶はないから-と、会では長く裏方に徹してきたが「先輩たち」が次々に亡くなる中、危機感が背中を押す。「この先10年で体験を語れる人はもっと減るだろう。残された言葉を伝える。それが私の役割だ」(聞き手・広畑千春)