兵庫県の斎藤元彦知事の定例会見を巡り、記者が交流サイト(SNS)やユーチューブで実名や顔写真などをさらされる事例が相次いでいる。昨年の知事選前から、知事に批判的な質問をした記者の実名を挙げて誹謗中傷する投稿が拡散。所属する報道機関にも抗議が寄せられ、担当替えの検討や、取材活動が制限されるような事態も発生している。専門家は「深刻で異常な事態」と警鐘を鳴らす。
会見は原則として週1回、記者クラブと県の共催で開かれている。29日の会見では記者の一人が前回の質問後にネットで非難や中傷が殺到し、担当替えが決まったと明かした。その上で「こうやって記者が萎縮すれば、職員や議員も萎縮していく」と問題提起した。