少子化と物価高騰の影響を受ける高校の食堂=2025年1月、姫路市内
少子化と物価高騰の影響を受ける高校の食堂=2025年1月、姫路市内

 公立高校の学生食堂(学食)の運営が岐路に立っている。もともと営業時間が短く、メニューも安価で、運営事業者にとって利益を生むのが難しい業態。少子化や食材費の高騰が追い打ちをかけ、値上げや閉鎖を余儀なくされる所も出てきた。兵庫県内の一部の高校では給食方式を導入する動きもあり、学生の食の環境が変わりつつある。(真鍋 愛)

 「安くておいしいご飯を、おなかいっぱい食べてもらう。それがやりがいなのに企業努力だけでは限界」

 県内の高校19校で学食を運営するアールシー食品(姫路市)の南裕文社長(54)は悔しさをにじませる。同社は9月、ほぼ全メニューの値上げに踏み切る。

 1962年の創業で、かつては企業や官公庁の食堂、弁当販売も手がけたが、「地域密着の商売をしよう」と学食に一本化した。その直後、新型コロナウイルス禍に見舞われた。