参院選が3日、公示された。物価高対策や政治改革を争点に、与党の過半数維持が焦点となる。兵庫選挙区(改選数3)には、過去最多に並ぶ13人が立候補。各候補者が街頭で政策や課題を訴え、17日間の選挙戦が始まった。
再選を目指す自民党現職の加田裕之氏(55)は応援に入った石破茂首相(自民総裁)と並び、神戸市中央区の東遊園地で第一声。物価高対策として「現金給付に加え、必要であれば消費税減税も訴えていく」と強調、阪神・淡路大震災を踏まえ「復興に向け心を一つにした共生の精神を大切にしていく」と述べた。
公明党現職の高橋光男氏(48)は同市西区の市営地下鉄西神中央駅前でマイクを握り、「政治は何を言ったかではなく、何をやったかだ」と声を張り上げた。コメ価格の高騰に対し、国会で備蓄米の放出を訴えた実績を挙げ、「消費者も、生産者も守る。先頭に立って農政改革を進めていく」とした。
日本維新の会新人の吉平敏孝氏(44)は同市中央区のJR元町駅前に立ち、県組織「兵庫維新の会」の幹部も駆け付けた。「日本の政治を変える重要な選挙。与党を過半数割れに追い込まないといけない」と気勢を上げ、「社会保障制度改革を実行し、働く人の重すぎる社会保険料の負担を引き下げる」と訴えた。
共産党新人の金田峰生氏(59)もJR元町駅前で、「異常な物価高騰から生活を守るため、すぐに消費税を減税、廃止を実現していく」と第一声。食料が有権者に安全に届くように、抜本的な農業政策の転換を図っていくとし、「みなさんの1票で、命を守る政治を取り戻す」と言葉に力を込めた。
国民民主党新人の多田ひとみ氏(45)は、神戸・三宮のサンキタ広場で「働く方々の思いを形にするためには政治を変えなければ」と言明。政策として、基礎控除などの引き上げと消費税減税による手取り増、違いを認め合う社会づくりや就職氷河期世代の救済を掲げ「努力すれば報われる国にする」と語った。
無所属新人で前明石市長の泉房穂氏(61)は、姫路市家島町から選挙戦をスタート。これまでの街頭演説では消費税減税を掲げ「国民が使えるお金を増やす。そうすれば経済も回る」と主張。「しっかり政治が決断して、予算の使い道を見直す。国民負担を増やす今の政治を転換する」などと訴えている。
れいわ新選組新人の米村明美氏(66)は神戸市中央区のJR神戸駅前から出発。消費税廃止や教育無償化を訴えた。
参政党新人の藤原誠也氏(37)は「日本の経済的な利益や歴史、精神性を守る」などと、「日本人ファースト」の主張を展開。
社民党新人の来住文男氏(65)は「公共交通機関を守り、兵庫県で問題になっているパワハラにノーを突き付ける」とした。
兵庫選挙区はこのほか、立花孝志氏(57)▽浦木健吾氏(42)▽高橋秀彰氏(42)▽前田実咲氏(33)-の諸派4人も立候補した。