会見後、頭を下げる幡掛大輔クボタ社長。因果関係は認めず、道義的責任に基づく対応を取った=2005年12月、尼崎市浜1のクボタ阪神事務所
会見後、頭を下げる幡掛大輔クボタ社長。因果関係は認めず、道義的責任に基づく対応を取った=2005年12月、尼崎市浜1のクボタ阪神事務所

 2005(平成17)年のクボタショックから20年間で3回の重要な疫学調査が行われた。最初は06年、(いずれも当時)奈良県立医大教授車谷典男、大阪府立公衆衛生研究所課長熊谷信二が旧神崎工場の飛散状況を推定し、工場の南側を中心に約12万人が居住した広い範囲に汚染が及んでいたことを示した。次は環境省が尼崎市に委託して実施。クボタ旧神崎工場の周辺で際立って高い発症リスクを割り出した。最後は15年度からの大阪大教授祖父江(そぶえ)友孝らの調査だ。居住期間を考慮した「累積ばく露量」を推計し、ここでも高いリスクを裏付けた。