兵庫県の告発文書問題を巡り、政治団体「NHK党」の立花孝志氏に街頭演説で虚偽の発言をされ名誉を損なわれたとして、県議の丸尾牧氏が5日、1100万円の損害賠償を求め、神戸地裁尼崎支部に提訴した。
訴状によると、昨年11月の県知事選に立候補した立花氏が西宮市内で演説した際、元西播磨県民局長(故人)が作成した告発文書について、「実は丸尾とかが書いたんですって、ウソを」「(斎藤元彦知事がパワハラをしたという)デマをあっちこっちで流した」などと発言。丸尾氏はこれらの発言が「事実無根で虚偽」だとし、ユーチューブ上の複数の動画で拡散され、社会的評価が著しく低下したと主張している。
丸尾氏は文書問題を巡る県議会調査特別委員会(百条委)の元委員。提訴後に会見し「虚偽の発信をして人をおとしめることは許されず、民主主義の基盤を壊すことに歯止めをかけないといけない」と話した。
提訴を受けて立花氏は「訴えてくれたことに感謝しています」としている。立花氏は4日、百条委の委員長だった奥谷謙一県議について、虚偽の内容を交流サイト(SNS)に投稿するなどしたとして名誉毀損などの疑いで県警に書類送検された。