入所する介護施設でリハビリに取り組む藤崎光子さん。今年は現場に足を運ぶことはできそうにないが「やっぱり行きたい」と思いを語った=大阪市天王寺区(撮影・小林良多)
入所する介護施設でリハビリに取り組む藤崎光子さん。今年は現場に足を運ぶことはできそうにないが「やっぱり行きたい」と思いを語った=大阪市天王寺区(撮影・小林良多)

 あの尼崎JR脱線事故から20年を迎えた25日、一人娘を亡くした藤崎光子さん(85)は今年も現場で祈ることができなかった。2年前に脳梗塞になり、今は介護施設でリハビリ生活を送る。体は満足に動かなくても、JR西日本に向ける厳しい視線は変わらない。「本当に安全な会社に変わったのか」。もう一度声を上げるため、前を向く。