卒業証書とブーケを手にほほ笑む卒業生ら=1日午前、宝塚音楽学校(撮影・吉田敦史)
卒業証書とブーケを手にほほ笑む卒業生ら=1日午前、宝塚音楽学校(撮影・吉田敦史)

 宝塚歌劇団の俳優を育てる「宝塚音楽学校」(兵庫県宝塚市武庫川町)で1日、111期生の卒業式があった。兵庫県出身の8人を含む39人が伝統のはかま姿で式に臨み、タカラジェンヌとしての第一歩を踏み出した。

 111期生は2023年春に15・3倍の競争率を突破して合格した。同9月には劇団員の女性が死亡し、遺族は上級生や劇団幹部のパワハラが原因だったと主張。親会社の阪急阪神ホールディングスは昨年3月、上級生らによるパワハラを認め、補償する内容で遺族側と合意した。

 式では歌劇団理事長でもある同校の村上浩爾理事長が「歌劇団は変革期にある」とし、公演や稽古日程、「良い舞台をつくるのに直接関係のない決まり事」の見直しを進めていると説明した。卒業生は声楽やダンスの稽古を重ねてきた2年間の思いを胸に校歌を斉唱。ブーケ贈呈のセレモニーでは、涙を浮かべた予科生から花束を受け取った。

 式後、卒業生総代の光田悠那さんは「宝塚を愛してくださる皆さまに、夢と希望を届けられる舞台人を目指します」と抱負を語った。卒業生は4月19日に宝塚大劇場で始まる星組公演で初舞台を踏む。(地道優樹)