ロシアのウクライナ侵攻から24日で3年となった。ウクライナ軍は若い兵士が次々と戦場に倒れ、厳しい状況が続く。開戦後の約1年、最前線で戦ったアルテム・フィリペンコさん(44)は神戸新聞のオンライン取材に「仲間が戦死し精神的に追い詰められた」と語る。一日も早い日常の回復を願うが、米ロ主導の強引な和平交渉が進む中、「国民を守るために妥協はできない」とも強調。兵士らの複雑な心境を明かす。
■約1年で20人が帰らぬ人に
ロシア軍のミサイル攻撃が始まったのは2022年2月24日の早朝。当時、アルテムさんはウクライナ南部のオデッサで、妻と9歳の長女と暮らしていた。激しい爆音が鳴り響き3、4日は眠れなかったと記憶する。
家族を隣国のポーランドに疎開させ、建築関係の仕事をしていた自身は軍隊に志願。「故郷が占領されるのではとの危機感が強かった。家族を守りたい一心だった」と振り返る。