表札の隣に30年間張っているオリックスのステッカー。家主の寺井賢司さんはそのまま残しておくつもりだ=神戸市中央区
表札の隣に30年間張っているオリックスのステッカー。家主の寺井賢司さんはそのまま残しておくつもりだ=神戸市中央区

 JR三ノ宮駅(神戸市中央区)から東へ約1キロの民家の軒先に、そのステッカーはあった。色あせた「がんばろう神戸」の文字が、30年の月日を実感させる。「この先もはがさないでしょうね」。家主の寺井賢司(63)が目を細めた。

 阪神・淡路大震災では家族は皆無事だった。自宅は半壊判定を受けたが住み続けられ、1カ月ほどで仕事に復帰。大阪への通勤は苦労したが、日常が戻るのは早かった。