「語り継ぐ」とは-。意見を交わす諏訪清二さん(手前)と舞子高校の卒業生たち=2024年12月、神戸市長田区
「語り継ぐ」とは-。意見を交わす諏訪清二さん(手前)と舞子高校の卒業生たち=2024年12月、神戸市長田区

 誰かの語りに耳を傾け、また別の誰かに話す。「語り継ぎは誰でもできる」。兵庫県立舞子高校(神戸市垂水区)環境防災科の初代科長、諏訪清二さん(64)が教え子に説いてきた言葉だ。

 同科は2002年、全国初の防災専門学科として開設された。1995年の阪神・淡路大震災を体験した世代から、震災後生まれまで卒業生は約800人。3年生は毎年、家族などから震災の話を聞いて、文集「語り継ぐ」をつくる。

 昨年12月、卒業生4人と諏訪さんが「語る」をテーマに話し合う場が神戸であった。震災が起きたとき、4人は小学生だったが、体験はそれぞれ違う。被災の程度によって聞き手の反応が変わることを、子ども心に感じてきた。