火事の跡が残る高橋病院に、避難所から戻る入院患者ら=1995年1月30日、神戸市長田区海運町2
火事の跡が残る高橋病院に、避難所から戻る入院患者ら=1995年1月30日、神戸市長田区海運町2

 阪神・淡路大震災から一夜明けた1995年1月18日朝、高橋玲比古(あきひこ)は焼失した街にぽつんと残った病院の前にいた。壁がすすけていた。神戸市長田区にあった高橋病院を父から継いで5年半。まだ39歳だった。