アニメや柔道などフランス人が日本好きであることは知っていたが、もはやブームではなく、文化として定着していた。「もう20~25年。日本のコンテンツは特別に人気が高い」。五輪取材でパリに滞在中に会った総合日本情報誌「ZOOM JAPON(ズームジャポン)」を発行する「EDITIONS ILYFUNET(エディション・イリフネ)」のダン・ベロー社長(53)は、こう断言する。理由を聞いた。(有島弘記)
■親和性
同社は50年前、パリ在住の日本人に現地情報を届けるフリーペーパーを創刊。現在は「OVNI(オヴニー)」とのタイトルで毎月3万部を刷る。兵庫県猪名川町に実家がある社員の高地良幸さん(52)が「住んでいて知らない日本人はいない」と豪語する人気で、欧州各国に届ける「ズームジャポン」のフランス語版は5万部を誇る。
フランスにおける日本文化の浸透は1990年代、アニメから始まったという。「キャプテン翼」や「シティーハンター」などがテレビ放送され、心を躍らせた少年少女が親となり、子どもに受け継がれた。