けがや手術後に起こり得る骨や関節への細菌感染。こうした整形外科領域の感染症に対応する兵庫生まれの新しい治療法「CLAP(クラップ、持続局所抗菌薬灌流(かんりゅう))療法」が、医療現場で注目を集めている。どんな治療法なのか詳しく知るため、第一人者がいる県立はりま姫路総合医療センター(姫路市)を訪ねた。(勝浦美香)
■関節の機能維持し完治目指す
同センターの入院病棟の一室。骨折の後に感染症を発した60代男性のすねから、管のようなものが飛び出ている。痛々しく見えるが、「痛みは全くない」とこの男性患者。「管から薬が骨に流れ、細菌を殺している」。整形外科部長の圓尾明弘医師(54)が説明する。